労働保険料 年度更新の書き方
従業員を雇用する事業所が年に1回行う労働保険の年度更新について、前年度の確定保険料と今年度の概算保険料の計算方法、手続きの流れ、注意点を解説します。年度更新は期限前に手続きを確認し、慌てないように準備することが重要です。
労災保険と雇用保険の違い
労災保険
正式には「労働者災害補償保険」と呼ばれ、業務上の事故や病気、通勤途中の事故などで労働者が被る損害を補償するための制度です。この保険は事業主が全額を負担し、労働者が業務中や通勤中に負った傷病に対して、治療費や休業補償などの給付を提供します。
雇用保険
労働者が失業した際に再就職の支援や、最低限の生活を保障するための制度です。雇用保険は、事業主と労働者の双方が保険料を負担し、失業給付金や職業訓練給付金などの給付を受けることができます。
加入条件に関しては、労災保険は1名でも労働者を雇用している事業所は加入義務がありますが、雇用保険は加入要件があり、特定の条件を満たす労働者が対象となります。例えば、雇用保険に加入するためには、1週間の所定労働時間が20時間以上であることや31日以上の雇用見込みがあることなどの条件を満たす必要があります。
労働保険の年度更新
労働保険料は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間で計算されます。加入初年度は加入時に納付しますが、翌年度以降は毎年申告・納付が必要です。保険料は賃金総額で変動し、年度末に確定します。概算保険料を納付し、年度末に精算手続きを行うのが年度更新です。労働保険に加入している限り、毎年この手続きを行わなければなりません。
労働保険年度更新手続きの流れ
労働保険の年度更新手続きは、事業主が毎年行う重要なプロセスです。以下にその流れを簡潔に説明します。
- 労働局からの書類受領: 5月下旬に、管轄の労働局から年度更新に必要な申告関係書類が送付されます
- 賃金集計表の作成: 前年度の賃金台帳を基に、賃金総額を集計します。この集計表は提出不要ですが、申告書作成のために必要です
- 申告書の作成: 賃金集計表をもとに、労災保険と雇用保険の保険料を計算し、申告書に記入します
- 申告書の提出と保険料の納付: 作成した申告書と共に、6月1日から7月10日までの期間に保険料を納付します
電子申請を利用することも可能で、紙の手続きに比べて効率的です。また、期限内に手続きを完了しないと追徴金が発生する可能性があるため、期限を守ることが重要です。
労働保険年度更新の注意点
労働保険料は、給与、手当、賞与など労働に対して支払われるすべての賃金総額を基準に計算されます。ただし、役員報酬、傷病手当金、災害見舞金、解雇予告手当、出張旅費や宿泊費は賃金に含まれません。また、給与は支給日ではなく締日を基準に計算し、例えば3月末締4月払いの給与は3月分として計算します。
令和6年度労働保険年度更新申告書の書き方(継続事業用編) (youtube.com)
令和6年度労働保険年度更新申告書の書き方(一括有期事業(建設の事業)用編) (youtube.com)
令和6年度労働保険年度更新申告書の書き方(第3種特別加入(海外派遣)用編) (youtube.com)
年度更新申告書計算支援ツール
- 継続事業用:令和5年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表[449KB]
- 雇用保険用:令和5年度 確定保険料算定基礎賃金集計表[353KB]
- 建設事業用:様式第7号(甲)一括有期事業報告書・総括表(建設の事業)[1.2MB]
労働保険料 年度更新申請代行は仙台の社労士 社会保険労務士法人ブレインズまでご相談下さい。