残業代を低く抑える給与体系
「サカイ引越センター」の社員と元社員6人が、未払いの残業代などの支払いを求めて大阪地裁に提訴しました。サカイ引越センターでは「出来高払い制」を採用し、基本給を月約6万円と低く設定することで、時間外の割増賃金を抑える仕組みが取られているとされます。原告らはこの制度が不当であると主張し、未払い残業代約1800万円と会社への制裁金を含む約3600万円の支払いを求めています。サカイ引越センターは、訴状が届いていないためコメントを控えるとしています。
【速報】基本給は6万円・・・サカイ引越センターの社員らが残業代約1800万円など求め提訴 (asahi.co.jp)
ちなみに出来高制(歩合制)の最低保証給の計算方法は、以下の手順で行います。
計算手順
賃金総額の算出
まず、出来高制で支払われた賃金の総額を計算します。例えば、総支給額が245,000円、そのうち歩合給が170,000円、時間外割増賃金が62,500円、深夜割増賃金が12,500円の場合は以下となります。
除外賃金の控除
- 最低賃金の対象とならない賃金(時間外割増賃金、深夜割増賃金など)を除外します。
- 例: 245,000円 – (62,500円 + 12,500円) = 170,000円
時間当たりの賃金の算出
- 除外後の賃金総額を総労働時間で割り、時間当たりの賃金を算出します。
- 例: 170,000円 ÷ 180時間 = 944円
最低賃金額との比較
- 算出した時間当たりの賃金が、最低賃金額(時間額)を上回っているか確認します。
- 例: 944円 > 888円(東京都の最低賃金額の場合)
この方法で、出来高制の賃金が最低賃金額を満たしているかどうかを確認できます。歩合制を導入している企業は上記をしっかり確認して、透明度の高い給与計算方法を実践して下さい。
給与計算のご相談は仙台の社労士 社会保険労務士法人ブレインズまで。