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解雇規制改革の論点

小泉進次郎氏の「解雇規制の見直し」

島根県知事、小泉進次郎氏を痛烈批判 解雇規制緩和「とんでもない」(毎日新聞) – Yahoo!ニュース

島根県知事の批判について、少々的外れ感があると考えていますが、昨今話題となってる解雇規制について考えてみたいと思います。

アメリカの解雇規制

随意雇用(At-Will Employment)
アメリカでは「随意雇用(at-will employment)」が基本です。これは、雇用主と労働者の双方が理由を問わず、事前通知なしに雇用契約を終了できるというものです1。ただし、以下のような例外があります。

州ごとの規制
アメリカでは、連邦法と州法の両方が労働規制を行っています。例えば、カリフォルニア州やニューヨーク州などでは、解雇に関する規制が厳しく、特定の条件下では解雇が制限されることがあります。

差別禁止法
解雇に関しては、差別禁止法が重要な役割を果たしています。人種、性別、宗教、年齢、障害などに基づく差別的な解雇は違法です。これに違反すると、企業は法的な制裁を受ける可能性があります。

労働組合と労働協約
労働組合が存在する場合、労働協約によって解雇には正当な理由が必要とされることがあります。この場合、労働者は解雇に対して異議を申し立てることができ、場合によっては元の職場に復帰することも可能です。

集団解雇
大規模な解雇(レイオフ)については、連邦法である「労働者調整および再訓練通知法(WARN法)」が適用されます。この法律により、一定規模以上の企業は大規模な解雇を行う際に60日前に通知する義務があります。

アメリカの正規雇用と非正規雇用

アメリカでは、正規雇用者(フルタイム従業員)が労働力の大部分を占めていますが、非正規雇用者の割合も増加しています。現在は正規雇用者: 約70%に対して、非正規雇用者: 約30%となっています。

正規雇用と非正規雇用の少子化に対する影響

島根県知事の丸山氏は「正規、非正規の格差という問題が非常に少子化に影響していると思う。これ以上、雇用を不安定にして、将来設計を立てられないような社会を進めてしまったら、今以上に出生数が減る」と熱弁を振るったそうだが、アメリカの例でもわかるように「正規・非正規」の問題ではなく、同一労働・同一賃金、そして労働の流動化の問題と考えます。実際、アメリカでは転職者の給与の中央値がここ20年で最大の伸びを見せており、2023年7月には転職者の給与が8.5%上昇しました。転職者は、同じ職場にとどまる人よりも賃金上昇率が高い傾向があります。

ここまで日本の経済を悪化させてきたのは、現実から目を背け、ドラスティックな改革に着手してこなかった部分もあるかと考えます。

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