零細企業でも取り組まなければなりません
働く人の「ストレスチェック」、全事業所に義務拡大へ…昨年度の労災認定は過去最多の883人(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース
厚生労働省は、従業員50人未満の小規模事業所にも「ストレスチェック」の実施を義務化する方針を決定しました。これは、精神疾患による労災認定者が年々増加していることを受けた対策の一環であり、全労働者の心の健康を守るための措置です。来年の通常国会で労働安全衛生法の改正案が提出される予定です。
ストレスチェック制度の概要
ストレスチェック制度は、従業員の精神的健康状態を定期的に把握するため、2015年から従業員50人以上の事業所に年1回の実施が義務付けられています。従業員は、仕事量や食欲、生活習慣などの質問に回答し、その結果に基づいてストレス度合いを数値化されます。結果は本人に通知され、「高ストレス」と判定された場合は、医師による面接指導が推奨されます。
小規模事業所への義務化の背景
近年、長時間労働や職場環境が原因で心の健康を損なう従業員が増加しています。特にうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定を受けた人の数は、2002年度の100人から2022年度には過去最多の883人に達しました。こうした状況を受け、厚生労働省はストレスチェックの義務化対象を拡大する方針を決めました。
小規模事業所の事業主への影響
従業員50人未満の小規模事業所は、全国に約364万か所あり、約2893万人の労働者が働いています。この新たな義務化により、これらの事業所でもストレスチェックの実施が必要になりますが、業務負担の増加が懸念されています。厚生労働省は、この導入を数年後に予定し、スムーズに実施できるように支援体制の整備を進める方針です。
実施に向けたサポート
義務化に際し、小規模事業所の事業主が抱えるコストや業務負担を軽減するために、厚生労働省はオンラインツールや外部専門家によるサポートなどを検討しています。また、従業員が安心して受検できるように、プライバシーの保護や結果の適切なフィードバック方法についてのガイドラインも提供される予定です。
実施率と今後の課題
2022年のストレスチェック実施率は、従業員50人以上の事業所で85%である一方、従業員50人未満の事業所では32%にとどまっています。義務化により、小規模事業所でも対応が求められるようになりますが、導入初期の段階では準備や支援が重要な課題となります。この措置により、全ての労働者がメンタルヘルスケアを受けられる体制が整備されることを目指し、長期的には働きやすい職場環境の改善が期待されます。