ヨギボーで発生したハラスメント事件を考える
【速報】「ノーミスで通訳を、しなければ価値はない」“パワハラで適応障害” 社員がヨギボー会長提訴 降格や出勤停止の処分も(読売テレビ) – Yahoo!ニュース
ビーズソファ販売のヨギボーで、社員の男性が木村誠司会長(当時は社長)から「100%の通訳をできると保証しなければ価値はない」と叱責されるなどのパワハラを受け、長時間労働により適応障害を発症したとして、会社と会長に対し損害賠償を求めて訴訟を起こしていたことが、24日に判明しました。提訴は8月9日に行われました。
パワハラの定義
パワハラと判断されるためには、以下の3つの要素を全て満たしている必要があります。
- 優越的な関係の利用: 上司、先輩、顧客など、地位や権限、または人間関係などにおいて優位な立場にある者が、その立場を利用して行う行為であること。
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えた行為: 業務遂行上必要不可欠な範囲を超えて、私的な感情を伴ったり、人格を否定したりするような行為であること。
- 労働者の就業環境の害: 精神的な苦痛を与えたり、身体への危害を加えたり、仕事ができなくなったりするなど、労働者の就業環境を害する結果が生じていること。
パワハラの具体的な例
- 身体的な攻撃: 暴行、傷害
- 精神的な攻撃: 脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言
- 人間関係からの切り離し: 隔離、仲間外し、無視
- 過大な要求: 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
- 過小な要求: 能力や経験に見合わない簡単な仕事しか与えない、仕事を与えない
今回の事件
訴状によると、大阪府在住のヨギボー社員の男性は、2023年9月に木村誠司会長(当時社長)とアメリカ出張中、通訳として雇用されていないにもかかわらず、木村会長から「100%の通訳」を強要され、完璧でないと執拗に叱責されました。また、「お前の存在価値は俺が握っている」などの発言で精神的に追い込まれました。男性が体調を崩して休養している際にも、木村会長から批判的な電話やメッセージがあり、最終的に男性は帰国。長時間労働やパワハラが原因で適応障害を発症し、訴訟を起こしました。
男性は帰国後、適応障害と診断され、会社に出張中の出来事を報告しましたが、会社は「ハラスメント行為は確認できない」とし、男性に「業務指示の違反」と「職場放棄」を理由に降格の懲戒処分と12日間の出勤停止を命じました。男性はその後休職し、提訴時点でも休職中です。男性は6か月間に月平均80時間を超える時間外労働があり、パワハラや長時間労働で適応障害になったと訴え、会社と木村会長に約1200万円の賠償を求めています。男性は会見で、通訳業務の過酷さや精神的な追い詰められた状況について語り、謝罪と再発防止を求めました。
事実はニュースから外面的にしかわかりませんが、これがすべて事実と仮定すると間違いなくパワハラに該当する上、労災認定される事件と考えます。ハラスメント防止については、経営陣のリテラシーによるところが大きいです。まずは経営陣にハラスメントが抱えるリスクをしっかりと理解してもらうことが大切ですので、防止対策としてセミナーなど開催するのは効果的な方法になります。
ハラスメントセミナーについてもご相談は仙台の社労士 社会保険労務士法人ブレインズにご連絡ください。