エンゲージメントの重要性
エンゲージメントを高めることで、従業員が生き生きと働き、本領を発揮して成果を上げる組織を作ることが可能になります。エンゲージメントが高い企業では、生産性や収益性が向上し、顧客満足度も高まることが実証されています。そのため、世界中の企業でエンゲージメントを経営指標として採用する動きが広がっています。
日本企業の現状と課題
日本企業では「熱意あふれる社員」の割合がわずか6%で、世界的に見ても低い水準にあります。この背景には、社員の「やる気のなさ」や、上司や会社に対する信頼度の低さが挙げられます。また、優秀な若手の流出や生産性の低さも課題として浮かび上がっており、これを打開する鍵が「エンゲージメント」にあります。
エンゲージメントの定義と特徴
コンサルティング会社ウイリス・タワーズワトソンは、エンゲージメントを「従業員が企業の戦略や目標を適切に理解し、自発的に力を発揮する貢献意欲」と定義しています。これには、組織やチームへの愛着と、仕事への主体性の両方が含まれます。
類似概念との違い
従業員満足度: 給与や福利厚生、人間関係などに対する満足度を指しますが、高い満足度が必ずしも主体的な働き方や成果に直結するわけではありません。
- モチベーション: 個々人の動機づけを意味しますが、組織としての成果には直接つながらない場合もあります。
- ロイヤルティ: 自社への帰属意識や忠誠心を指しますが、エンゲージメントは組織と個人を対等な関係とみなす点で異なります。
なぜエンゲージメントが注目されるのか
エンゲージメントは、現代の労働環境の変化に対応するために重要です。
- 人材の流動化: 転職が一般化した現在、優秀な人材をつなぎとめる必要があります。
- クリエイティビティの重視: 従来のやり方が通用しなくなった現在、自発的な貢献意欲が重要です。
エンゲージメントが高いチームは、収益性が22%、生産性が21%、株価収益率(EPS)が47%も上回るとのデータがあります。また、離職率や欠勤率の低下にも寄与します。
組織構造とエンゲージメントの関係
フラットな組織やティール型組織といった新しいモデルが注目されていますが、エンゲージメントの高さは組織形態に依存しません。重要なのは、自社の環境、業務、そして人材に適した組織構造を選ぶことです。
エンゲージメントを「見える化」する方法
エンゲージメントを高めるには現状の把握が不可欠です。簡単な方法として、「現在の職場を親しい友人や家族におすすめしたいか」を10点満点で評価する「eNPS」(従業員ネット・プロモーター・スコア)があります。さらに、アトラエ社の「wevox」などのツールを活用して、9つのキードライバーを測定することで、具体的な改善点を把握できます。
エンゲージメントの9つのキードライバー
- 職務: やりがいや裁量の有無
- 自己成長: 仕事を通じた成長の実感
- 健康: ストレスや疲労の少なさ
- 支援: 上司や同僚からの支援
- 人間関係: 良好な職場の関係性
- 承認: 周囲からの評価や認識
- 理念戦略: 企業の理念や戦略への共感
- 組織風土: 良好な職場文化
- 環境: 給与や福利厚生などの満足度
これらのドライバーは相互に関連しており、課題の優先順位をつけて対応することが重要です。
心理的安全性の重要性
エンゲージメント向上のカギは、心理的安全性です。メンバーが自由に意見を言えるカルチャーを育むことで、一人ひとりの強みを引き出し、不安を解消し、より良い成果につなげることが可能になります。
エンゲージメント向上や心理的安全性のサーベイについて、宮城県内でコンサルティングできるのは仙台の社労士 社会保険労務士法人ブレインズだけになります。生産性向上を目指すのであればご相談下さい。