若者が子どもを産めない日本の現実と、今やるべきこと

2024年、日本で生まれた子どもの数がついに70万人を割り込みました。これは国が予測していた2038年より、14年も早いペースです。もはや「少子化」ではなく、「超少子化社会」に突入していると言っても過言ではありません。でも、なぜこんなに急速に少子化が進んでいるのでしょうか?そして、どうすれば歯止めをかけられるのでしょうか。
結婚・出産以前に立ちはだかる「経済的不安」
今の若い世代にとって、子どもを産む以前にまず「結婚すら難しい」という現実があります。とくに問題なのが、「非正規雇用」の増加。2024年の非正規社員数は約2126万人にも上ります。多くは若い人たちで、安定した収入や将来の見通しが立たないため、結婚や子育てに踏み出せないのです。国がいくら「出産後の支援」を手厚くしても、そもそも結婚すらできない層にとっては無関係。この“見落とされがちな現実”こそが、少子化が止まらない根本原因ではないでしょうか。
子どもを持ちたいけど「お金がかかりすぎる」
国の調査でも、理想より少ない人数しか子どもを持てていない夫婦は多数います。理由として最も多いのは、「教育や子育てにお金がかかりすぎるから」(52.6%)。ほかにも、高齢出産の不安(40.4%)、育児の精神的・身体的負担(23.0%)といった理由が続きます。これらはすべて、「お金」と「時間」に直結した課題。つまり、「安心して子育てできる環境」が日本にはまだまだ足りないのです。
ではどうする?──現実的な5つの提案
そこで私たちが今すぐできる「現実的な対策」を考えてみました。ポイントは「出産後の支援」ではなく、「結婚前から支える仕組み」です。非常に雑な感じでAIに仕組を考えてもらいました。
独身・低所得者向けの生活支援金(国)
年収300万円未満の20~30代の独身者に、年間10万円の給付金を支給。結婚すればさらに10万円、出産で30万円の一時金を加算。これは、「結婚する前に生活が安定していないと無理」という声に応える制度です。
子育て世帯に家賃&教育費の現物支給(国・自治体)
子どもが2人以上いる家庭に、家賃の3割(月最大3万円)を10年間補助。さらに「教育パス」として年10万円分の学用品・習い事費支給。これにより「子どもが増えると家計が苦しい」という現実を緩和できます。
地方で働きたい女性向けの在宅雇用創出(自治体)
地方自治体が企業に補助金を出して、在宅正社員職(広報・事務・経理など)を増やす。女性が地元に住んだまま育児と両立できる仕事を選べる環境づくりが必要です。
子育て家族のための「格安移住住宅+支援金」(自治体)
都市部から地方に引っ越した子育て世帯に、家賃3万円以下の支援住宅+引越支援金50万円を提供。「子育てのために地方に移る」という新しいライフスタイルを後押しします。
出産後でも働ける“時短正社員”制度を企業に(企業×国)
週30時間で正社員扱いとなる雇用制度を広げ、国が保険料の一部を補助。また、保育中の社員が使える「10時~16時勤務」などの時間シフト制度を導入する企業に最大200万円の補助。「仕事を辞めずに子育てできる」社会へシフトする必要があります。
今こそ「結婚できる社会」への転換を
いま求められているのは、子どもが産まれた後ではなく、産む前の支援です。若者が「将来が不安」「結婚しても生活できる気がしない」と感じているかぎり、どんなに育児支援を厚くしても少子化には歯止めがかかりません。
「働いても生活が苦しい」
「家庭を持つのが贅沢になってしまった」
こんな国に、未来はありません。今後5年がラストチャンス”とも言われています。
子育て以前に、「結婚できる社会」をどう取り戻すかが、日本の命運を左右すると言えるでしょう。