
病院・クリニックでもカスハラ対策が重要になっています
近年、医療機関において、患者様やご家族等からの暴言、威圧的な言動、長時間の拘束、不当な要求、職員個人への誹謗中傷、SNSへの投稿など、いわゆるカスタマーハラスメントへの対応が課題となっています。もちろん、患者様やご家族からのご意見・ご要望のすべてがカスタマーハラスメントに該当するわけではありません。医療機関として、診療内容や接遇に関するご意見を真摯に受け止め、改善につなげる姿勢は非常に重要です。一方で、要求の内容や言動の態様が社会通念上許容される範囲を超え、職員の就業環境を害する場合には、医療機関として組織的に対応する必要があります。政府広報では、カスタマーハラスメントについて、顧客・施設利用者等の言動であり、社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するものと整理されています。特に病院・クリニックでは、受付、会計、看護師、医師、医療事務など、患者様と直接接する職員が多く、対応を現場任せにしてしまうと、職員の精神的負担が大きくなります。職員を守ることは、安心して医療を提供できる体制を守ることでもあります。
令和8年10月1日からカスハラ対策が義務化されます
令和7年6月11日に、労働施策総合推進法等の一部改正法が公布されました。この改正により、カスタマーハラスメント対策が事業主の雇用管理上の措置義務となり、令和8年10月1日から施行されます。つまり、令和8年10月1日以降は、医療機関を含む事業主に対して、カスハラから職員を守るための体制整備が求められることになります。厚生労働省は、令和8年2月26日にカスタマーハラスメント防止指針も公布しており、事業主が講ずべき対応の方向性が示されています。医療機関で準備しておきたい主な対応は、次のとおりです。
・カスハラを許容しない基本方針の明確化
・職員が相談できる窓口や報告ルートの整備
・受付、電話、診察室、会計窓口など場面別の対応ルール作成
・悪質なケースでの複数名対応、対応者交代、警察・弁護士等への相談基準の整理
・被害を受けた職員への配慮、再発防止策の実施
・相談者や対応した職員への不利益取扱いをしないことの明確化
カスハラ対策は、患者様を排除するためのものではありません。正当なご意見には誠実に対応しながら、暴言、威圧、不当要求、長時間拘束など、職員の就業環境を害する行為には組織として毅然と対応するためのものです。
病院・クリニック向けカスハラ対応ポスターを無料ダウンロード
病院・クリニックで活用いただける「医療機関向けカスタマーハラスメント対応ポスター」を作成しました。受付、待合室、会計窓口、診察室前などに掲示することで、患者様やご家族に対して、医療機関としての基本姿勢を分かりやすく伝えることができます。厚生労働省も、カスタマーハラスメント対策ポスターのダウンロード案内を行っており、職場におけるハラスメント防止の一環として、ポスター等による周知は有効な取組みといえます。院内掲示用として、ぜひご活用ください。
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医療機関におけるカスハラ対策は、職員を守るだけでなく、安心して医療を受けられる環境づくりにもつながります。令和8年10月1日の法施行に向けて、まずはポスター掲示による院内周知から始め、あわせて相談体制や対応マニュアルの整備を進めていくことをおすすめします。
仙台・東京港区の社労士 社会保険労務士法人ブレインズ




