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宮城県最低賃金2025年は時給1,038円に決定

63円→65円へ上乗せの背景を社労士が解説

【2025年最新版】宮城県の最低賃金が1,036円に引き上げ! | 【仙台の社労士】社会保険労務士法人ブレインズ|相談数トップクラスの実績と信頼

先日公開したブログで「2025年10月から宮城県の最低賃金は1,036円(+63円)」と予想しましたが、最新の答申では+65円の1,038円となる見通しです。今回は、この2円上乗せの理由と、事業主が今から備えるべきポイントを解説します。

宮城県最低賃金 2025年度改定内容

  • 改定額:時給1,038円
  • 引き上げ幅:+65円(前年比+6.7%)
  • 発効予定日:2025年10月1日頃
  • 全国平均:1,118円(過去最大の+63円)

なぜ予想より2円高くなったのか

2025年度の最低賃金改定は、まず中央最低賃金審議会が「全国平均+63円」という目安を提示しました。その後、宮城県の地方最低賃金審議会が地域の物価上昇率や生活実態を踏まえ、目安よりも2円高い+65円を答申しました。背景には以下の要因があると考えます。

  • 物価高騰が全国平均を上回る水準で推移
  • 他県との賃金格差を縮小し、人材流出を防ぐ狙い
  • 生活費上昇に対応した議論の結果、追加上乗せが妥当と判断
年度最低賃金増額増加率
2021853円+25円+3.0%
2022893円+40円+4.7%
2023923円+30円+3.4%
2024973円+50円+5.1%
20251,038円+65円+6.7%

事業主が直面するリスク

2025年度の宮城県最低賃金引き上げは、事業主に複数の深刻な影響を及ぼす可能性があります。まず、時給上昇は直接的に人件費を押し上げ、特に飲食・小売・介護など人件費比率の高い業種では利益率の低下が避けられません。また、時給1,038円で週20時間勤務した場合、年収は約107万円となり、扶養範囲(103万円・106万円・130万円)を短期間で突破する労働者が増え、「年収の壁」問題が加速します。
さらに、新規採用の提示時給が既存社員の給与を上回る「給与逆転現象」が発生すれば、不満や離職の原因となります。加えて、周辺企業が高時給を提示することで採用競争が一層激化し、経験やスキルのある人材が流出するリスクも高まると考えます。

事業主が取るべき具体策

最低賃金の大幅引き上げに対応するためには、賃金制度や労務管理を総合的に見直すことが不可欠です。まず、賃金テーブルの再設計が必要です。最低賃金が上がると職務や役職間の給与差が縮まり、モチベーション低下や不公平感が生じやすくなります。各等級・役職の職務内容や責任範囲に応じた賃金差を再設定し、経験やスキルの向上に伴う昇給ステップを明確化することで、公平性とやる気を維持できます。

次に、労働時間管理の徹底も重要です。特に扶養範囲(103万円・106万円・130万円)を意識したシフト設計は重要です。年収の壁を超えることで社会保険加入義務が発生すると、労働者が勤務時間を制限したり離職したりするケースがあります。シフト作成時に年間労働時間を逆算し、不要な残業やサービス残業を排除することで、人件費の無駄を防ぎます。

さらに、生産性向上と省力化への投資も効果的です。POSレジや勤怠管理システムの導入、業務のマニュアル化、作業手順の標準化などにより、同じ人員でより多くの業務をこなせる体制を構築できます。特に単純作業や集計業務は自動化することで、従業員の労働負担を軽減し、付加価値業務への時間配分が可能になると考えます。加えて、就業規則・賃金規程の更新は必須です。最低賃金改定後の時給・日給・月給換算の計算方法や、固定残業代制度を採用している場合はその内訳と計算根拠を明文化する必要があります。これにより、割増不足や未払い残業のトラブルを未然に防げます。

最後に、助成金の活用も忘れてはいけません。例えば、業務改善助成金は生産性向上を伴う賃金引き上げを行った際の設備投資費用を補助し、人材確保等支援助成金は労働環境改善による採用・定着を支援します。勤怠管理システムの導入であればIT導入補助金が活用可能です。これらの制度を組み合わせることで、賃上げに伴うコスト増を部分的に吸収しつつ、労働環境の改善と経営基盤の強化が同時に実現できます。

まとめ

今回の+65円引き上げは、中央最低賃金審議会の目安(+63円)を上回る、宮城県独自の判断です。これは単なる時給の改定ではなく、今後の経営戦略そのものを変える必要がある大きなシグナルといえます。特に人件費比率の高い業種では、従来のコスト構造のままでは利益確保が難しくなるため、賃金制度の再設計・労働時間管理・生産性向上投資の3本柱で早急に対応策を立てることが重要です。また、就業規則や賃金規程の改定によって法的リスクを回避し、助成金や補助金を最大限に活用することで、賃上げ負担の一部を軽減できます。

最低賃金の上昇は今後も続く見込みであり、「待つ」経営ではなく先手を打つ経営が求められます。今回の改定をきっかけに、自社の賃金・労務管理を総点検し、持続可能な経営モデルへの転換を図ることを強く提案します。ご相談は仙台と東京虎ノ門に事務所のある社労士、社会保険労務士法人ブレインズまでご相談下さい。

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