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国保の保険料上限が「110万円」に引き上げへ

国保の保険料上限1万円引き上げへ、高所得者対象…軽減措置の「高校生年代まで」拡大案にはおおむね賛同(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース

高年収単身世帯が対象、高校生年代までの均等割軽減拡大も検討中

厚生労働省は、自営業者などが加入する国民健康保険(国保)の保険料について、年間上限額を来年度から1万円引き上げ、110万円とする方針を固めました。この内容は、11月27日に開かれた社会保障審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の医療保険部会で示されたもので、記事によれば、部会で反対意見は出ていません。ここでいう「年間上限額」とは、どれだけ所得が高く、どれだけ計算上の保険料が増えたとしても、「1年間にこれ以上は保険料を取らない」という天井の金額のことです。今回その天井が1万円分引き上がり、110万円に設定されるというのがニュースの骨子です。


年収約1,170万円以上の単身世帯が対象となる見込み

記事では、「単身世帯の場合、年収約1,170万円以上が対象となる見込みだ」と説明されています。これは、年収1,170万円を超える全員から一律で1万円余計に徴収する、という意味ではありません。あくまで、「国保の計算式に当てはめたときに、年間保険料が上限の110万円に到達する層の目安として、単身でおおよそ1,170万円以上の所得がある人」が想定されている、ということです。国保の保険料は、所得に応じた「所得割」と、人数に応じた「均等割」などを組み合わせて計算します。自治体ごとに料率も違うため、同じ年収でも市区町村によって具体的な金額は変わります。それでも、今回のように「単身・年収1,170万円」という水準が示されているのは、「相当高い所得層が上限に張りつく」というイメージを伝えるためです。上限額の引き上げは、今回で5年連続と報じられています。高所得者への負担を少しずつ増やし、その分、中所得層などの保険料負担を抑える、という方向性が継続しているといえます。


なぜ保険料上限を引き上げるのか

記事では、「高齢化などで医療費が増加する中、高所得者の負担を増やし、中所得者の負担を軽減する狙いがある」とされています。医療費は年々増えていますが、その財源のかなりの部分は保険料で賄われています。現役世代全体の負担を際限なく上げることはできませんから、「負担能力が高い層に、より多く負担してもらう」という方向に舵を切るのは自然な流れです。国保の年間上限額を引き上げるということは、端的にいえば「もともと上限近くまで払っていた高所得者」にだけ影響が出る改定です。一方で、そこまで所得が高くない層については、今回の上限引き上げの直接的な影響は基本的にありません。「高所得者の上限を少しずつ押し上げていき、その財源を中所得層などの保険料抑制に回す」という考え方が根底にあると理解すると、この改定の位置づけが整理しやすくなります。


均等割の軽減措置を「高校生年代まで」に拡大する案

同じ医療保険部会では、もう一つ重要なテーマが示されました。それが、国保の保険料のうち「均等割」と呼ばれる部分の軽減措置を、現在の「未就学児」から「高校生年代まで」に拡大する案です。均等割とは、世帯の加入者数に応じて「1人いくら」という形で課される定額部分です。今回の記事では、この均等割について、「負担額の半分を公費で賄う」軽減措置を高校生年代まで広げる案が示され、おおむね賛同が得られたと報じられています。ポイントは、軽減されるのが「所得割」ではなく「均等割」であること、そして「半額を丸ごと免除する」のではなく、「負担額の半分を公費で肩代わりする」形であることです。つまり、子どものいる世帯について、人数に応じてかかる定額の保険料の一部を税金で支える仕組みを、未就学児から高校生年代まで広げる、という構想です。


2027年度からの実施を目指し対象者は約50万人から約180万人へ

厚生労働省は、この均等割軽減措置の拡大について、2027年度からの実施を目指しているとしています。記事では、軽減措置の対象者が現在の約50万人から約180万人に増える見通しとも記されています。これは、今すでに行われている未就学児向けの軽減を、高校生年代まで広げた場合、制度の対象となる子ども・世帯の数が大幅に増える、ということを意味します。逆に言えば、子育て世帯にとって、子どもの人数に比例して重くなりがちな「均等割」の負担を、国や自治体が一部肩代わりする範囲を広げることで、家計の保険料負担を軽くしようという方向性です。ここでも大事なのは、「高校生まで国保がタダになる」という話ではない点です。あくまで「均等割」の「半分を公費で見る」枠組みを、未就学児から高校生年代まで広げる、という案であり、世帯全体の保険料がゼロになるわけではありません。


社労士・人事労務担当者が押さえておきたい視点

社会保険労務士や人事労務担当者としては、このニュースをどう整理しておくかが重要になります。第一に、国保の年間上限額110万円という数字そのものは、「かなり高所得の国保加入者が対象となる上限キャップの更新」であり、多くの一般的な加入者には直接影響しないこと。第二に、高校生年代までの均等割軽減拡大案は、2027年度からの実施を目指している段階であり、今後の制度詳細や自治体ごとの運用は、別途フォローが必要になること。企業の健康保険・厚生年金に加入している従業員にとっては、直接の影響は限定的ですが、個人事業主・フリーランス・役員報酬のみで国保に加入している層、あるいは従業員の家族が国保に加入しているケースでは、家計に与える影響の説明を求められる場面も出てきます。ライフプラン相談、扶養の見直しの場面などで、「国保の保険料の上限は110万円」「子どもの均等割は高校生年代まで半分を公費で見る方向で議論されている」「実施は2027年度以降の予定」という事実だけは、整理して説明できるようにしておくと安心です。


まとめ

今回の報道は、一つのニュースの中で二つの流れを伝えています。一つは、国保の年間保険料の上限を1万円引き上げ、110万円とするという、高所得者向けの負担増の話。もう一つは、均等割の軽減措置の対象を高校生年代まで広げ、子育て世帯の定額負担を軽くしようとする話です。前者は、医療費増大の中で高所得者の負担を増やし、中所得者の負担を抑えるための仕組みづくり。後者は、子どもの人数に応じて重くなりがちな保険料の一部を公費で支えることで、子育て世帯を後押しする方向性です。この二つを混同せずに、「上限110万円」「年収約1,170万円以上が対象見込み」「引き上げは5年連続」「高校生年代まで均等割半額を公費負担」「2027年度からの実施を目指す」「対象者は約50万人から約180万人へ」というキーワードを整理し、数字と言葉で説明できるようにしておくことが求められます。

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