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協会けんぽ、2026年度保険料率を決定

保険料率40都道府県で引き下げ 協会けんぽ、7県据え置き(共同通信) – Yahoo!ニュース

中小企業の社員ら約4,000万人が加入する 全国健康保険協会(協会けんぽ)は1月29日、2026年度の都道府県別健康保険料率を決定した。全国平均の保険料率は9.90%となり、1992年以来34年ぶりの引き下げとなる。協会けんぽは、賃上げの広がりにより標準報酬月額が上昇し、結果として保険料収入が増加したことが今回の引き下げにつながったとしている。協会けんぽの保険料率は全国一律ではなく、都道府県ごとに過去の医療費水準や加入者の年齢構成などを基に算定される仕組みであり、今回の改定でもその枠組み自体に変更はありません。

40都道府県で引き下げ、医療費増の7県は特例で据え置き

2026年度の都道府県別保険料率を見ると、40都道府県で前年度から引き下げとなった。一方、青森県など7県については前年度と同じ保険料率に据え置かれた。据え置きとなった7県では、医療費が当初の見込みを上回るなどの理由から、算定上は保険料率が上昇する結果となっていた。しかし今回は、全国平均が引き下げられた効果を加入者に実感してもらうという観点から、特例として引き上げを見送る判断がなされた。ただし、この措置は恒久的なものではなく、本来上昇するはずだった分については、2027年度以降に複数年度で平準化しながら反映される予定とされている。今回の据え置きは、負担が消えたことを意味するものではないように思います。

最高は佐賀10.55%、最低は新潟9.21% 地域差は依然大きく

2026年度の保険料率が最も高いのは佐賀県の10.55%で、北海道が10.28%、徳島県が10.24%と続く。一方、最も低いのは新潟県の9.21%で、沖縄県は9.44%と前年度から据え置かれた。全国平均は引き下げられたものの、都道府県間の保険料率の差は依然として1%以上開いており、事業所の所在地によって企業と従業員の負担が大きく異なる構造は変わっていません。

介護保険料率引き上げと子ども・子育て支援金制度

2026年度の介護保険料率は、40歳から64歳の協会けんぽ加入者を対象に、全国一律で1.62%とされ、前年度から0.03ポイント引き上げられる。健康保険料率が引き下げられる一方で、年齢層によっては介護保険料の上昇により、負担感が変わらない、あるいは増す可能性がある。また、2026年度からは子ども・子育て支援金制度が開始される。少子化対策の財源を医療保険制度を通じて確保する仕組みで、2026年度の支援金率は0.23%とされている。被用者保険では事業主と被保険者が折半で負担するため、被保険者負担分は0.115%となる。標準報酬月額30万円の場合、支援金は月額690円、そのうち被保険者負担は約345円となる。国の試算では、被保険者1人あたりの平均負担額は月額約550円とされている。なお、この支援金率は、2028年度に向けて0.4%程度まで段階的に引き上げられる想定が示されている。


社会保険労務士の視点

今回の協会けんぽ保険料率の引き下げについては、賃上げによる保険料収入の増加を素直に反映した結果と説明されている。一方で、社会保険制度全体を俯瞰すると、別の見方も成り立つ。2026年度は、介護保険料率の引き上げに加え、子ども・子育て支援金という新たな恒久負担が同時に始まる節目の年度である。こうした追加負担が見込まれる中で、協会けんぽの保険料率を34年ぶりに引き下げたことは、将来の負担増を見据え、加入者の負担感を調整する意図があったのではないか、という穿った見方も否できます。いわゆる「独身税」とも受け止められがちな子ども・子育て支援金は、給付の実感が乏しい層ほど負担だけが可視化されやすい制度だと思います。健康保険料率の引き下げが強調される一方で、社会保険料全体としては、現役世代と企業の負担構造が静かに重くなっていくという現実をどう説明するかが必要と考えています。

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