
仙台・東京虎ノ門の社労士、社会保険労務士法人ブレインズです。令和8年度の業務改善助成金の情報ですが、これまでよりも使い方が難しくなるという見方をしています。今回の改正でのポイントはこれまで比較的使いやすかった30円コースがなくなる方向で見直されていることと、申請できる時期がかなり短くなる見込みであることです。令和7年度までであれば「最低賃金の改定に合わせて少し上げれば使えそうだ」と考えていると令和8年度は申請できなくなるかもしれません。早めに準備を進めることが重要と考えます。
令和8年度の業務改善助成金は何が変わるのか
令和8年度改正でまず押さえたいのは、30円コースの廃止です。これまでの制度では、比較的小幅な賃上げでも申請しやすい枠がありましたが、令和8年度は50円、70円、90円の3コースへ再編される見込みです。つまり、助成金を活用するためには、これまでよりも大きな賃上げが必要になる可能性があります。この変更が意味するのは、事業者側からすると、助成金を受ける前提として求められる負担が重くなるということです。これまでは30円の引上げで検討できていた会社も、令和8年度は50円以上の引上げが現実的に可能かを改めて考えなければなりません。さらに、申請時期も大きく変わる見込みです。令和8年度は、9月から11月頃までの短い期間に申請が集中する方向が示されています。これまでのように春から順次準備を進める前提ではなく、秋の限られた時期に一気に申請をまとめる運用に近づいていきます。そのため、制度が始まってから見積書を取り、対象設備を検討し、賃上げ額を考えるのでは遅くなる可能性があります。また、対象となる事業場の考え方も見直される見込みです。従来は、事業場内最低賃金と地域別最低賃金との差額を基準に考える場面がありましたが、令和8年度は、事業場内最低賃金が令和8年度の地域別最低賃金額を下回っているかどうかが重要なポイントになります。考え方は一見分かりやすくなりますが、実際には地域別最低賃金の改定額が見えないと、最終的な判断がしにくいという面もあります。
令和8年度の申請に向けて今から何をすべきか
令和8年度の業務改善助成金で最も重要なのは、募集開始を待たずに準備を始めることです。特に設備投資を予定している会社は、何を導入するのかを今のうちに固めておく必要があります。業務改善助成金は、何でも対象になるわけではなく、生産性向上との関係を説明できることが重要です。そのため、導入したい設備やシステムについて、なぜ必要なのか、どのように業務改善につながるのかを整理しておくことが欠かせません。また、自社の事業場内最低賃金を正確に把握しておくことも不可欠です。そもそも自社が対象になりそうなのか、どの社員を基準に考えるのか、何円の引上げが必要になるのかが曖昧なままでは、申請準備を進めることができません。賃金台帳や出勤簿、雇用契約書などを確認し、最低賃金の計算に誤りがないかを早めに点検しておくべきです。
さらに、50円以上の賃上げを本当に継続できるのかも重要な論点です。助成金は一時的に受け取れても、賃上げ自体はその後も続いていきます。したがって、助成金を取りにいくことだけを優先するのではなく、価格転嫁や業務効率化も含めて、賃上げ後の運営が回るかどうかを確認しておく必要があります。令和8年度は、助成金ありきで考える会社よりも、賃上げと設備投資を一体で設計できる会社の方が活用しやすい制度になるでしょう。だからこそ、今の時点で必要なのは、正式要綱の公表をただ待つことではなく、見積取得、帳簿整備、賃金確認を先に進めておくことです。
まとめ
令和8年度の業務改善助成金は、30円コースの廃止、賃上げ幅の見直し、申請時期の短縮などにより、これまでより準備が重要になる制度へ変わる見込みです。特に、これまで30円コースを前提に考えていた会社や、申請開始後に準備すればよいと考えていた会社は注意が必要です。今回の改正の本質は、助成金が使えなくなることではありません。早めに準備した会社しか取りにくくなるという点ではないでしょうか。今のうちから設備投資計画と賃金水準の確認を進めておくことが重要となります。
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