「タイムカードなし」の職場で従業員が“未払い残業代”を請求 「証拠がない」と言い張る会社を裁判所が“一蹴”した理由

「タイムカードなし」の職場で従業員が“未払い残業代”を請求 「証拠がない」と言い張る会社を裁判所が“一蹴”した理由(弁護士JPニュース) – Yahoo!ニュース
法的リスク(労働基準法違反)
会社は、労働時間の記録を適切に管理し、賃金台帳を5年間保存する義務(労基法108条・109条) を負う。違反すると以下の罰則がある。

実際の裁判例
住友生命事件(大阪地裁 H11.1.1)
→ 賃金台帳の提出を命じた判例。会社が記録を適切に管理していないと、従業員側の主張が認められやすい。
ブロッズ事件(東京地裁 H24.12.27)
→ タイムカードの打刻後も働いていた証拠として、PCの履歴 が証拠採用された。
クロスゲート事件(東京地裁 R4.12.13)
→ 会社がタイムカードを導入していなかったが、従業員が提出した 出勤簿(エクセル) が証拠として認められた。
経営リスク(未払い残業代・訴訟リスク)
未払い残業代請求リスク
- 残業代の請求は過去2年間(2020年4月以降は3年間)遡って請求可能
- 1人あたり数百万円~数千万円の請求リスクあり
- 集団訴訟になれば、さらに多額の支払いが発生
例: 大手企業でも未払い残業代の支払いが発生
- 日本マクドナルド事件(未払い残業代約2億3,500万円支払い)
- 電通事件(違法残業による長時間労働問題)
企業イメージ・信用の低下
- 未払い残業代の発覚=ブラック企業のレッテル
- SNSや口コミで拡散され、採用活動・顧客信用に悪影響
労基署の是正勧告・監査対象
- 残業代未払いが労基署に発覚すると、是正勧告 → 監査 → 企業名公表の可能性
- 企業の管理体制が厳しく問われる
会社のリスクを減らすための対策
勤怠管理システムの導入
- タイムカード・ICカード・クラウド勤怠管理システム を導入し、正確な労働時間を記録
- PCのログやアプリの使用時間を記録する仕組み も有効
賃金台帳の適正管理
- 賃金台帳には、労働時間・残業時間・控除額・支払額を正確に記載
- 最低5年間の保管義務 を厳守(電子データでの保存も可)
従業員との透明性確保
- 残業時間や給与計算のプロセスを明確にし、説明責任を果たす
- 「みなし労働時間制」などの誤った運用をしない
労務リスクの専門家活用
- 社労士・弁護士と連携し、法令違反リスクを回避
- 労働トラブルの早期解決策を構築
適切な勤怠管理ができていないと、法的リスク・経営リスク・労務トラブル が発生し、企業にとって大きな損失となります。特に、未払い残業代の請求や裁判のリスクは無視できず、証拠不備が企業にとって致命的なダメージを与える可能性があります。企業は適切な勤怠管理・賃金台帳管理を行い、従業員の信頼を確保することが、リスク回避の鍵となりますので、専門家である社会保険労務士までご相談下さい。



