ベトナム人技能実習生逮捕の事件から技能実習制度を理解する
ベトナム人技能実習生が殺人で逮捕された報道がありました。この事件から思うことは、外国人を恐れるのではなく、背景や文化を理解し、共に働く姿勢が大切と考えます。偏見ではなく対話と共感が、多様性を受け入れる第一歩となります。今回は、外国人材の受け入れを検討されている企業様向けに、「技能実習制度とは何か」をしっかり理解していただく為に、その制度をわかりやすく、そして実務的に解説します。
技能実習制度とは?~制度の趣旨と位置づけ~
技能実習制度は、日本の企業で働きながら技術や知識を学ぶことを通じて、母国の経済発展に貢献することを目的とした制度です。1993年に創設され、法務省・厚生労働省・外務省が関与する国の制度です。ポイントは人材育成が本来の目的であり、単なる労働力確保のための制度ではありません。対象は主にアジアの開発途上国(ベトナム、インドネシア、ミャンマー、スリランカ、カンボジアなど)の若者で、農業、漁業、建設、製造、食品加工、介護など87職種156作業(2025年時点)が対象です。
技能実習の流れと在留資格の区分
技能実習は最大5年のプログラムで、段階的に進みます。
| 区分 | 在留期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 技能実習1号 | 入国後1年 | 基礎的な技術の習得、座学やOJT |
| 技能実習2号 | 2~3年目 | より実践的な技術習得 |
| 技能実習3号 | 4~5年目 | 一定の成果が認められた企業のみ受入可能(要申請) |
※1号→2号への移行、2号→3号への移行には、技能評価試験の合格などの条件があります。
実習生の受け入れ方法|企業が知っておくべきこと
技能実習生は、次のいずれかのルートで受け入れます。
監理団体(組合)を通じた受け入れ
外国の送り出し機関と提携した「監理団体」が間に入り、受け入れ企業に実習生を紹介し、管理します。※中小企業のほとんどはこの方式。
企業単独型
企業が直接海外の送り出し機関と契約して受け入れます。大企業やグローバル展開企業に多い形式。仙台周辺でも、「建設業」「食品製造」「介護事業所」などでの受け入れが増加しています。
技能実習制度の課題とリスク【社労士が指摘】
技能実習制度は制度趣旨が明確である一方、「人手不足の穴埋め」目的で使われやすいため、以下のような課題がしばしば発生しています。
よくある課題とトラブル
- 最低賃金以下の支払いや不当な天引き
- 長時間労働・時間外労働の違法運用
- 適切な休暇の未取得
- 実習生の失踪や定着しない
- 職場内でのハラスメントや文化摩擦
これらはすべて企業側のコンプライアンス不足が原因です。
技能実習制度の今後:新制度「育成就労制度」へ
政府は2024年、有識者会議において技能実習制度を廃止・再編し、新たに「育成就労制度(仮称)」を導入する方向で動いています。
【変更点の例】
- 実習の目的を“人材育成+労働力確保”へ明確化
- 転籍制限の緩和(一定条件で職場変更可能に)
- 職種の拡大・技能認定の柔軟化
正式な施行は2027年頃が見込まれていますが、今後も法改正に伴う実務対応が必要です。
社労士ができること|仙台で外国人材の受入れなら
当法人では、仙台を拠点に全国の中小企業に対して、技能実習制度の導入・運用支援を行っております。
- 監理団体・送出機関とのマッチング支援
- 雇用契約書・社内規程の整備
- ハラスメント対策・文化教育の導入
- 外国人向け就業規則・説明資料の整備
- 行政対応(労基署等)支援
- 将来的な「育成就労制度」への移行支援
技能実習制度は“人と組織の信頼”で成り立つ制度
技能実習制度は、受け入れる企業にとっても実習生本人にとっても、将来につながる制度です。
しかし、正しい知識と実務的な体制整備が不可欠です。外国人雇用のプロである社労士がサポートすることで、リスクを最小限に抑え、持続可能な受け入れ環境を構築できます。仙台・東京で外国人雇用に関するご相談は、ぜひ私たちにお任せください。



