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介護報酬は2026年6月に臨時改定へ 処遇改善をめぐる制度の流れを社労士が整理

介護報酬臨時改定、来年6月に 処遇改善の要件も追加(福祉新聞) – Yahoo!ニュース

介護報酬が2026年6月に臨時改定される見通しとなり、介護業界では処遇改善をめぐる議論が再び注目を集めています。ただ、この話題は専門用語が多く、報道だけを追っていると「何が決まっていて、何がまだ検討段階なのか」が分かりにくいのが実情です。本記事では、介護制度に詳しくない方にも伝わるように、現時点で公表されている内容をもとに、今回の臨時改定がどのような位置づけのものなのかを整理します。

なぜ今、臨時改定が行われるのか

介護報酬は原則として3年に1回改定され、次の定例改定は2027年度とされています。それにもかかわらず、2026年度に臨時改定を行う方針が示された背景には、長引く物価高騰があります。食材費や光熱費、人件費の上昇が続く一方、介護分野では価格転嫁が難しく、賃上げが十分に進んでいません。他産業では春闘を通じた賃上げが進む中、介護職員が流出しやすい状況が続いています。このままでは介護サービスの維持が困難になるという危機感から、政府は例外的に期中での見直しが必要だと判断しました。この方向性は、社会保障審議会介護給付費分科会で示され、厚生労働省が説明しています。なお、2025年12月から2026年5月までの半年間については、補正予算により、介護職員やケアマネジャー等の処遇改善を目的とした賃金支援が行われる予定です。ただし、これはあくまで時限的な措置であり、金額も一律に決まっているものではありません。この支援が終了する2026年6月以降をどうするのか、その受け皿として位置づけられているのが今回の臨時改定です。

処遇改善はどう変わるのか、何に注意すべきか

2026年6月の臨時改定では、処遇改善を中心とした見直しが行われる方向性が示されています。現行の処遇改善加算をベースに、制度を拡充することが検討されており、これまで主に介護職員を対象としてきた枠組みを、介護に関わる他の従事者にも広げる考え方が示されています。報道では、訪問看護や訪問リハビリテーション、居宅介護支援などが例として挙げられていますが、これらは現時点では検討対象として示されている段階です。具体的な算定要件や点数が確定しているわけではありません。また、今回の改定の特徴として、処遇改善とあわせて「生産性向上」や「協働化」の取り組みを求める方向性が示されています。施設・居住系サービスでは、生産性向上推進体制加算との関係が議論されており、訪問・通所系サービスでは、ケアプランデータ連携システムの活用などが例示されています。ただし、これらについても、現時点で一律の義務として決まっているものではなく、政策的な方向性が示されている段階にとどまります。分科会では、現場団体から「現在の処遇改善では不十分であり、他産業との差がさらに広がる」という強い意見も出ています。一方で、市町村側からは、今回の対応が介護給付費準備基金の取り崩しを前提としている点について懸念も示されています。処遇改善の必要性については共通認識があるものの、財源のあり方については今後も議論が続く見通しです。今回の臨時改定は、「介護報酬が少し上がる」という単純な話ではありません。処遇改善加算を算定するためには、賃金規程や配分ルールが実態と整合しているか、業務改善の取り組みを説明できる状態になっているかが、これまで以上に重要になります。制度が正式に固まる前から準備を進めておくことが、結果的に現場を守ることにつながります。

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