
令和7年度「物流事業者経営強化支援事業(1次募集)」の募集が始まっています。エネルギー価格や物価、人件費の上昇により物流事業者の経営環境は厳しさを増しています。本事業は、県内経済を支える物流機能を維持するため、事業環境の変化に対応して経営基盤を強化する取組を支援する制度です。単なる設備更新を補助する制度ではなく、将来に向けた持続的な経営体制の構築を後押しする趣旨で設計されています。補助率は2分の1以内、補助上限額は300万円です。複数の事業を同時に実施することは可能ですが、その場合でも上限は合計300万円となります。この点を誤解して事業区分ごとに300万円と考えてしまうケースがあるため注意が必要です。
対象者要件と補助条件の整理
補助対象となるのは、中小企業支援法に基づく「中小企業者」に該当する貨物運送事業者、倉庫事業者、荷主事業者です。資本金や従業員数の要件を満たしていても、株式の保有割合や役員構成の状況によっては「みなし大企業」に該当し対象外となる場合があります。特にグループ企業や親会社の出資を受けている企業は事前確認が不可欠です。他の補助制度との併用は、国が実施する事業を除き可能とされています。ただし、併用した補助金の合計額が総事業費を超えることは認められません。また、他制度側で県補助金相当額の控除を求められることもあるため、併用設計は制度ごとの条件を確認しながら慎重に行う必要があります。
補助対象事業と対象外になるケース
補助対象事業は、ドライバー確保、業務の効率化・生産性向上、そして倉庫・荷主による貨物運送事業者の効率化の三つに大別されます。採用活動や免許取得支援、定着のための設備整備、配車計画システムや車両動態管理システムの導入、省エネルギー車両の導入などが代表例です。ただし、例示はあくまで参考であり、重要なのは「その取組がどのように経営基盤強化につながるのか」を説明できることです。一方で、単なる機械や車両の取替え更新で効率化や生産性向上が見込めないものは補助対象外です。燃料費などのランニングコスト、自社内部取引、飲食費、公租公課なども対象外とされています。消費税については原則として補助対象経費から除外する取扱いとなります。特に実務上の落とし穴となるのが、交付決定前に発注や契約を行った経費はすべて補助対象外になる点です。また、汎用性の高い備品は原則対象外とされ、物流効率化に直接結びつくことが説明できなければ認められません。エコタイヤなどの付属品は補助対象経費総額の二分の一が上限となり、車両関連機器は保有台数分に限定されるなど、細かな制限も設けられています。事業計画段階でこれらを織り込んでおかなければ、後の実績報告で減額や不交付となる可能性があります。
申請スケジュールと成功のための実務対応
一次募集の申請期間は令和八年一月三十日から二月二十七日までで、申請は電子システムのみで受け付けられます。先着順であり、予算に達し次第終了となるため、準備が整い次第速やかに申請することが重要です。交付決定は二月中旬から三月中旬の予定で、事業実施期間は交付決定日から一年以内または令和九年二月十五日のいずれか早い日までとなります。交付決定日によって終期が変動するため、工事やシステム導入のスケジュールは余裕をもって設計しなければなりません。見積書は単価と数量が明確に記載されている必要があり、「一式」表記は認められていません。一定額以上の発注には相見積も求められます。設備導入の場合は仕様書や図面、現況写真の提出も必要となるため、準備不足のまま申請すると差し戻しとなる可能性があります。本補助金は、単なる資金支援ではなく、物流事業者が構造的な経営課題に向き合うための制度です。人材確保、価格転嫁対応、効率化投資を一体として設計できるかが、審査上も実務上も重要なポイントとなります。申請を検討する場合は、制度趣旨に沿った事業目的と数値目標を明確にし、交付決定前発注禁止などの基本ルールを徹底したうえで計画を組み立てることが不可欠です。
申請方法
申請期限
令和8年2月27日(金曜日)
1次募集予算の上限に達した場合は、募集期間の途中であっても募集を終了しますが、別途令和8年3月中旬を目途に2次募集を開始します。
提出書類
全事業者共通
(1)申請書(様式1)
(2)事業計画書(別紙1)
(3)収支予算書(別紙2)
(4)誓約書及び誓約書別紙(別紙3-1及び3-2)
※(1)~(4)については以下のファイルを使用すること
申請様式(エクセル:49KB)
(5)県税納税証明書の写し(発行から3か月以内のもの)
(6)見積書の写し
(7)設備の導入等を行う場合は導入に係る設備の設計書及び仕様書、カタログ等の期待される効果の算定資料
(8)設備の導入等を行う場合は導入に係る物件の図面及び現況の写真
(9)法人にあっては、法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書等)の写し、個人にあっては、本人確認書類(住所記載のあるもの)の写し(運転免許証(両面)・住民票の写しのいずれか1点)
(10)資本金又は出資金が中小企業である要件を満たさない金額以上の場合は常時使用従業員の数がわかるもの(税務申告書(法人事業概況説明書)等)
(11)その他知事が必要と認める書類
「宮城県物流事業者エネルギー価格高騰緊急支援補助金(貨物運送・倉庫事業者向け)」に申請済みで、その際に提出いただいた資料の利用に同意いただける場合は、上記(5)、(9)及び(10)の書類の提出を省略できます。
貨物運送事業者が提出するもの
車両に取り付けたり車両の台数により金額が異なるシステム・備品等を導入したりする場合は申請に係る台数分の自動車検査証記録事項の写し
荷主事業者が提出するもの
運送事業者に貨物の輸送を委託実績(予定)があることを証する資料(例:発注書、納品書、契約書等の写し。企業活動上の秘密などは適宜黒塗りしてください。)
提出先
みやぎ電子申請サービスにより、下記URLから申請してください。
詳細(補助金交付要綱・募集要領)
- 補助金交付要綱(PDF:554KB)
- (事業計画を変更する場合)事業計画変更承認申請書(エクセル:38KB)
- (事業計画を中止(廃止)する場合)事業計画中止(廃止)承認申請書(エクセル:19KB)
- (事業が完了したら速やかに提出)事業実績報告書(エクセル:33KB)
- その他の様式(概算払、消費税、財産処分関係)様式(エクセル:32KB)
- 募集要領(PDF:367KB)
- 募集要領(概要版)(PDF:1,301KB)
- (参考)事業リーフレット(PDF:244KB)



