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2025年の実質賃金は前年比1.3%減 4年連続マイナスが示す日本経済の現実

【速報】2025年の実質賃金 前年比1.3%減 4年連続のマイナス 厚生労働省(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース

名目賃金は上昇、しかし実質賃金は4年連続マイナス

厚生労働省の発表によれば、2025年の働く人1人あたりの実質賃金は前年比1.3%減となり、これで4年連続のマイナスとなりました。賃金が上がっても、物価上昇のスピードに追いついていないという構図が依然として続いていることになります。もっとも、名目ベースの賃金は決して悪い数字ではありません。基本給や残業代などを含む現金給与総額は月平均35万5919円で前年比2.3%増。5年連続での上昇となっています。また、パートタイム労働者の時給も1394円と過去最高水準に達しており、最低賃金の引き上げなどが確実に反映されていることも事実です。しかし、これだけ名目賃金が伸びていても実質賃金がマイナスということは、生活実感としては「給料が上がっているのに楽にならない」という状態が続いているということです。賃上げは進んでいるのに、家計の余裕は生まれないというギャップこそが現在の日本の大きな課題と言えます。


2026年は実質賃金がプラスに転じる可能性

では、この流れは今後も続くのでしょうか。足元のデータを見ると、やや明るい材料も見え始めています。名目賃金の趨勢を示す「きまって支給する給与」は、12月時点で前年比+2.1%と堅調に推移しています。2025年度以降は平均して2%を上回る伸びを維持しており、賃金の基調そのものは弱くありません。一方で、物価の伸びはやや落ち着きを見せています。すでに公表されている2026年1月の東京都区部の消費者物価指数では、総合で前年比+1.5%、帰属家賃を除いても+1.6%と、伸び率が鈍化しています。この傾向が続けば、名目賃金の伸びが物価上昇率を上回り、月次ベースでは実質賃金がプラスに転じる可能性が高まります。さらに今年の春闘で5%を超える賃上げが実現し、インフレ率が2%を下回る状況になれば、年間で見ても実質賃金がプラスになるというシナリオは十分に現実的です。ただし、これはあくまでマクロ経済全体の話です。統計上はプラスに転じたとしても、すべての企業や労働者がその恩恵を受けられるわけではありません。業種や規模によって、状況は大きく分かれる点には注意が必要です。


中小企業に求められる賃金の上げ方の再設計

実質賃金マイナスというニュースは、働く人にとって厳しい話であると同時に、中小企業にとっても非常に重い課題です。多くの企業では、最低賃金の上昇や人手不足への対応として賃上げを続けていますが、その一方で価格転嫁は簡単に進まず、経営の負担だけが増えているのが実情です。こうした環境の中で重要になるのは、「とにかく賃金を上げる」という発想から脱却することです。単純な一律ベースアップを繰り返すだけでは、企業の体力が持ちませんし、必ずしも社員の満足度向上にもつながりません。これからの時代に必要なのは、賃金制度そのものの見直しです。評価や役割と連動したメリハリのある給与設計、手当の整理、生産性向上とセットにした賃上げなど、仕組みとして持続可能な賃金体系をつくることが不可欠になります。また、名目賃金の額面だけにこだわるのではなく、社員の手取りを実質的に増やす制度設計も重要です。非課税制度の活用や福利厚生の再構築など、企業が工夫できる余地はまだ多く残されています。実質賃金の統計はあくまで国全体の平均値です。しかし、各企業の現場では、その数字以上に厳しい現実があります。だからこそ、感覚的な対応ではなく、データと制度設計に基づいた冷静な賃金戦略が求められるのではないでしょうか。

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